【﨑津教会】ゴシック様式の教会発行の唯一の御朱印ゲット!

熊本県天草市にある【﨑津教会】は、世界遺産になっている、重厚なゴシック様式のキリスト教会です。教会で発行する御朱印は唯一ここだけで、お寺や神社で貰えるものとはまた違って、不思議な気持ちになります。

この教会は、昭和9年(1934年)に日本史上でも悪名高い「絵踏(えぶみ)」が行われていた庄屋宅跡に、フランス人司祭・ハルブ神父の希望で鉄川与助によって建立されたものです。

リブ・ヴォールト天井構造に切妻屋根瓦葺き、鉄筋コンクリート製の正面尖塔と拝廊及び手前の二間、祭壇のある木造の奥三間、ドイツ壁風の外壁、漆喰塗りの白い室内の壁、床は教会では珍しい畳敷きという、重厚な雰囲気のあるゴシック様式の三廊式平屋の建物です。

教会がある崎津集落を含む天草下島南部は室町時代から天草氏の領有で、永禄12年(1569年)に天草鎮尚が南蛮貿易を目的に、商人・医師でポルトガル人のルイス・デ・アルメイダを招いて布教を行ないました。

慶長17年(1613年)の禁教令によってキリシタンは潜伏化し、寛永14年(1637年)の『島原・天草の乱』で天草は荒廃したものの、崎津集落を含む下天草ではこの乱に加わらなかったことから処罰はありませんでした。その後、キリシタンは表向きは仏教徒を装い、神社で密かにキリシタンとしての祈りをささげていました。

崎津集落は、「天草市﨑津・今富の文化的景観」として重要文化的景観に選定され、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一部として世界遺産にも登録されています。

ここの御朱印は、一般的な神社やお寺のものと少し配置が違っていて、右に教会名「カトリック崎津教会」の墨書き、中央に「神は慈愛」の墨書きと丸に百合十字などの朱印、左に「ヨハネ四ノ八」の墨書きと教会名の朱印となっています。教会では唯一とされるもので、兎に角厳かで不思議な気分になります。

崎津地区には、潜伏キリシタンたちが信仰をカムフラージュした仏教曹洞宗の普應軒と崎津諏訪神社があり、そこにも御朱印があります。崎津地区へ行けば、崎津三宗教の3種類の御朱印を手に入れることもできるのです。

お寺の御朱印には、中央に「サ」と読む観音様を表わす梵字と「観世音菩薩」の墨書き及び観音様のお姿の朱印、右に「奉拝」の墨書き、左に「普應軒」の墨書きと朱印があります。神社の御朱印には、中央が社名と丸に柏の紋の朱印、右に「奉拝」の墨書き、左に社名の朱印があります。

ここの御朱印帳は、崎津三宗教の御朱印をまとめて貰えるもので、鏡開きになっていて広げると3種類の御朱印を書けるようになっています。表紙の左には「崎津三宗教 御朱印帳」の文字と神社を表わす柏紋、中央には観音様を表わす梵字、右には教会を表わす百合十字紋があります。

表紙の背景色は紫・白・赤・金の4色で、金色の紋は黒で千4百円ですが、他の3色の紋は金箔で2千4百円となります。御朱印帳の中には、左から教会・お寺・神社の御朱印が書かれていますが、御朱印だけを貰う場合には御朱印帳と同サイズ(B6判)の用紙にとなり、千2百円がかかります。

ここへのアクセスは、基本的には車利用となります。熊本駅からだと2時間40分、九州自動車道松橋ICからだと2時間10分、天草空港からだと1時間ほどかかり、九州産交バスに本渡バスセンターから乗車して、一町田中央バス停で乗換え、教会入口バス停で降車すれば徒歩1分の所に教会はあります。

世界遺産の教会で、神社やお寺とはまた違った御朱印を手に入れて、厳かで不思議な雰囲気に浸ってみるのも良いでしょう。